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辛い二日酔いになりたくない!飲み会で二日酔いにならない為の対策は??
忘年会、クリスマス、お正月と年末年始はどうしてもお酒を飲む機会が増える季節ですよね。 良くないと分かっていても、ついつい飲み過ぎて…、翌日二日酔いで吐き気や頭痛に苦しめられた経験も一度や二度ではないかもしれません。 今回は、そんな二日酔い予防や対策についてご紹介します。
二日酔いに関する歴史は古く、旧約聖書にもその記述が見られ、多くの人が昔から二日酔いに苦しめられてきました。日本でも、鎌倉時代の将軍源実朝が二日酔いに苦しんだとき、栄西禅師が茶を献じたと言われており、古くからお酒の席と二日酔いは隣り合わせであることが伺われます。
二日酔いになってしまう原因はまだ解明されていない部分が多いのですが、大きく分けて二つあると言われています。
1.アセトアルデヒドの蓄積
通常アルコールは体内に入ると肝臓で分解されて、アセトアルデヒドという物質に分解されます。このアセトアルデヒドは酵素によって無害なアセテート(酢酸)に分解され、血液にのって全身を巡りながら二酸化炭素と水に分解され、体の外へ排出されます。
このアセトアルデヒドが人間の体には有害物質で、二日酔いの原因の一つと言われています。
お酒を大量に摂取すると肝臓がアセトアルデヒドを処理しきれなくなり、血中のアセトアルデヒド濃度が高くなります。その毒性により頭痛や吐き気を引き起こしたり、胃痛や胃もたれの原因になると考えられています。
2.かくれ脱水症状
お酒をたくさん飲んでいるのに脱水症状ってイメージできないかもしれません。
なぜ脱水症状になるかというと、アルコールによる利尿作用が挙げられます。特にビールは利尿作用が強く、飲んだ量以上の水分が尿として排出されてしまいます。
さらに、体内でアセトアルデヒドが分解され過程で水が必要となるため、アルコールを摂取すると脱水症状になりやすいと言われています。
脱水状態になると、水分と一緒にナトリウムも不足してしまい、だるさや吐き気、食欲不振などの症状に繋がります。
二日酔いの原因は他にも、逆流性食道炎や低血糖など様々な要因が考えられますが、今回は代表的なものをご紹介しました。
実は、女性と男性では、女性の方がアルコールに弱いと言われており、それには女性ホルモンが大きく関係しています。
女性ホルモンのエストロゲンはアルコールの分解、代謝を抑制させる働きがあります。
エストロゲンは、排卵日前にピークになり、その後減少していきますので、このホルモンが多い排卵日前後から月経前にかけては二日酔いになりやすいと言われています。
また、一般的に女性の方が男性より体重が軽いですので、男性に比べると血液量が少なくなります。そのため、血中アルコール濃度が高くなりやすくお酒に酔いやすいと言われています。
日本人の約半数が遺伝的にお酒に弱い!
日本人などのモンゴロイド系の人々は、最もアルコールに弱いと言われています。
はるか昔、人類が三大人種に分岐した後、モンゴロイドの中に突然変異的にアセトアルデヒドを分解する酵素の活性をなくした人が出現し、時代が経つにつれてそのアルコールに弱い人種が増えていったと考えられています。
アセトアルデヒドを分解する酵素が活発かどうかでお酒に強いか弱いかが決まってきます。
・NN型 酵素が安定で正常な活性をする…お酒に強い
・ND型 NN型の1/16の活性しかない…ほどほど飲める
・DD型 酵素の活性が完全に失活した…アルコールに弱い
日本人はこのND型、DD型が半数近くいると言われています。
遺伝的にお酒が弱いかも…と思った方は、あまり無理して飲み過ぎないようにして下さいね。
辛い二日酔いは事前に対策すれば防げるんです!二日酔い予防に有効的な方法をいくつかご紹介します。
●食事も食べて!空腹時の飲酒は避ける
空腹時はアルコールの吸収が早くなり、血中アルコール濃度が高くなる傾向にあります。
お酒の席では食べ物よりお酒に手が伸びがちですが、二日酔いを予防するには食べ物もしっかり食べて下さい。
●アルコールと同じ量の水を飲む
アルコール摂取中の脱水症状を予防してくれる、体のアルコール濃度を薄くしてくれる、アセトアルデヒドの排出を助けるなどの効果が期待できます。
お酒ばかりではなく、できればお酒と同量のお水を飲むことで、二日酔いの予防に繋がります。
●食べ合わせのおつまみに気を使う
食べ物の中には、二日酔い対策に有効なものが数多くあります。
・ブドウ糖(炭酸飲料など)
アセトアルデヒドを分解するには大量のブドウ糖が必要と言われています。
炭酸飲料などに多く含まれておりますので、飲み会の間や後に摂取する事で二日酔いの予防に繋がります。
・高タンパクな食べ物(チーズ、枝豆、肉類、卵、魚など)
タンパク質は肝臓の細胞の合成を助けてくれるため、アセトアルデヒドの量が増えにくくなると言われています。
・脂質を含む食べ物(オリーブオイル、バターなど)
ダイエットの為に脂質は避けたい…と言う方も多いかもしれませんが、脂質はアルコールの吸収を緩やかにしてくれると言われており、二日酔い予防には適度な脂質の摂取が有効です。海外では、お酒を飲む前にスプーン一杯のオリーブオイルを飲んだり、バターを食べたりして二日酔いの予防をする地域もあるそうです。
また、トマト、牡蠣、梅干しなど、様々な食材が二日酔いに効果的を言われていますので、飲み会でのおつまみを気にしながら頼んでみて下さいね。
二日酔いになる前の予防が大切ですが、二日酔いになってしまった…
頭がガンガン、胸やけ、吐き気などとても辛いですよね。
薬を飲んで治ればいいですが、残念なことに現在二日酔いの特効薬というものはありません。
そんな時に有効な方法をご紹介します。
●まずは水分補給
二日酔いの体は脱水症状を起こしているので、水分を十分に補給しましょう。
尿をたくさん出してアセトアルデヒドを体から排出する事が第一です。
塩分や糖分が含まれて吸収もいい経口補水液やスポーツドリンクがおすすめです。
また、野菜ジュースや味噌汁も二日酔いの翌朝におすすめですので、ぜひ試してみてくださいね。
●アミノ酸で肝臓の働きをサポート
アミノ酸には肝臓の解毒作用、アルコール代謝の促進作用など、肝臓の機能をサポートする効果があります。特にまぐろ、かつお、牛肉、鶏肉、大豆、チーズ、さんまなどに多く含まれている分岐アミノ酸(BCAA)と摂取する事が有効と言われています。
他には、トマトやビタミンCを多く含む果物も二日酔いの解消に有効と考えられています。
<逆に二日酔いの時にNGな習慣は>
NG① 迎え酒をする
昔から二日酔いには迎え酒が有効と言われていますが、これにはNGです。
確かに迎え酒をすると二日酔いが良くなったような気がするかもしれませんが、それはアルコール成分による脳の麻痺によって起こる現象と言われています。
新たに飲んだアルコールにより更にアセトアルデヒドが生成され、二日酔いが長引く原因になります。
NG② お風呂に入って汗をかく
「二日酔いの時は、熱いお風呂に入ってたっぷり汗をかく」と言う方もいるかもしれませんが、実はこの方法はNGです。
二日酔いで脱水症状な上に熱いお風呂で大量に汗を書いてしまったら、脱水症状が悪化して血液がドロドロの状態になります。
様々な病気を引き起こす引き金になってしまう事があります。
二日酔いでお風呂に入る場合、十分に水分補給をした後、ぬるめのお湯に浸かりましょう。
いかがでしたでしょうか?
同じお酒の量を飲んだとしても二日酔いになる時とならない時があったりしますよね。実は二日酔いに関してはまだまだ解明されていない事も多く、体調や飲んだ量、アセトアルデヒドだけでなく様々な要因が複雑に関係していると考えられています。
飲み過ぎない事が二日酔いの予防には一番だと分かっていても、楽しい席ですとついついお酒が進んでしまいますよね。
翌日後悔しない為にも、今回ご紹介した二日酔い対策をぜひ試してみてくださいね。