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女性は利用されている? 月経前症候群(PMS)の嘘
多くの女性が生理前に少し「おかしくなる」ことを皆さんよくご存知ですよね?! 精神面では、<span style="color: #d02a6c;">イライラして人に八つ当たり</span>したり、理由もないのに<span style="color: #d02a6c;">涙がポロポロ出て情緒不安定</span>になったりします。 それに対し身体面では、<span style="color: #d02a6c;">乳房がはって痛くなる</span>こともありますし、<span style="color: #d02a6c;">頭痛を訴える</span>人もいます。<span style="color: #d02a6c;">一日中眠気に悩まされる</span>人も多いでしょう。どんなに食べても<span style="color: #d02a6c;">食欲が止まらず後悔</span>・・・、なんてもこともありますよね? そんな時、こう考えませんか? 「仕方ないわ、だって生理前だもの。」 これらの症状は、<span style="color: #d02a6c;">月経前症候群(PMS)</span>と呼ばれています。「症候群」とは、原因は不明ながら、似た症状を示す人が多い場合、とりあえず一括りにまとめて名付けられた一連の症状を示すものです。PMSには、<span style="color: #d02a6c;">150を上回る異なる症状</span>があるといわれています。 しかし、長年にわたる研究でもPMSに科学的根拠がない事を皆さんはご存知でしょうか? <span style="color: #d02a6c;">PMSの多くの調査は西側諸国の女性に限られていて、それ以外の比較対象がありません。</span> 日本でも、少し前までは婦人科の教科書に記載すらされていない疾患だったのです。 今回は、心理学者のRobyn Stein DeLuca(ロビン・スタイン・デルーカ)氏の意見をもとに心理学の観点からみた「PMS」を詳しくご紹介します。
日本でPMS診断に用いられるのが問診です。場合によっては、血液検査や内診をすることもあるでしょう。
PMSかどうかを見分けるのは、さまざまな症状が出るか否かだけです。その症状の数は前述の通り150を超えるとも言われています。
さらに医者によっては「大した症状ではない」「気をつけるべき症状」と診断が真っ二つに分かれるケースもあります。
このようにPMSに関する定義はひどく曖昧なため、誰もがPMSに当てはまってしまう恐れがあるのです。
PMSに関する治療は多くの利益を生み出しているとデルーカ氏は言います。
試しに、インターネットで「PMS」を検索してみてください。PMSに関する書籍、PMSを緩和する運動から食べ物、そして専門のクリニックなど膨大な情報量に驚くことでしょう。
多くの女性がPMSに悩まされていると思い込み、PMS治療薬を毎月のように求めれば製薬会社は莫大な利益を得ることができます。
現にアメリカのとある製薬会社は、カフェインや利尿、鎮痛成分が含まれた薬をPMSの症状を治療する市販薬として販売しました。その結果、2013年の総売上高は日本円で約58億5600万円にもなったのです。
日本でも、PMSに効果があるとうたった薬が販売されています。有効成分とされるものは、伝統療法で使われてきた“ハーブ”の一種です。しかし、このハーブについてもいまだ調査中で、科学的根拠は十分ではないと言われています。(NCCIHより)
女性のホルモンの変化が感情の起伏を左右すると認められることで、世の中の男性が「女性は感情的な生き物だ」という思い込みをするようになります。すると、合理性や安定性が必要となる高い地位に女性が就くことを阻む要因になっているのではないか、とデルーカ氏は指摘します。
しかし一方で、女性が体調不良を訴えた際やちょっと機嫌が悪い時などは、「PMSだから仕方ない」という言葉で周りの理解を得ることもできます。
PMSという定義は不安定ながら、現代社会で時に女性の味方になってくれます。
心理学の研究から、人の「感情」というものに男女差はないということがわかっています。
ある研究で、数ヶ月男女の被験者の感情の動きを調査したところ 双方が経験する感情の起伏の質にも量にも性差は見られなかったということです。
確かに月経周期によって何かしらの症状が出る女性はいます。しかし、PMSを過度に信じすぎることは、賢明なことではありません。
女性が感情的になる本当の原因を考えたことはありますか?
日々の生活における人間関係、職場での労働条件や男女差別、貧困や生活苦など日常を取り巻く環境が私たち女性の感情に影響を及ぼしているのではないでしょうか?
女性が本当に訴えたい感情を「PMS」という科学的根拠のない「疾患」に置き換えられていることに、私たちは気が付かなければなりません。
自分に問いかけてみてください。
その感情は本当に「PMS」が原因なのですか?と。