2015/10/19
乳がんの早期発見は検診で! 【乳がんについて正しく知ろう】
女性の乳がんの罹患率をご存知でしょうか?
なんと、日本人女性の12人に1人の割合で発症し、昨年の乳がんによる死亡数は13,240人にものぼりました。〔※がん情報サービス〕もはや、「私だけは大丈夫」は通用しません。
乳がんは、30代から増加し40代後半~50代前半にピークを迎えます。仕事や育児などで忙しい時期にピークを迎えるため、検診による早期発見で適切な治療を受け、治癒を目指したいものです。
早期発見できれば、生存率が比較的高いのが乳がんです。
身近に潜む乳がんについて、まずは正しく知ることが重要です。
乳がんは、女性ホルモン(エストロゲン)によって引き起こされる!
乳がんの罹患率は、女性ホルモンのエストロゲンの分泌に深く関係しています。エストロゲンの分泌量が長期になればなるほど、乳がんの発症率が高まります。
しかし、エストロゲンは30代をピークに分泌が減少します。では、なぜ乳がんの罹患率は40代後半~50代前半にピークを迎えるのでしょうか。
実はエストロゲンの分泌が減少することで、私たちの体は少しでもエストロゲンを受け止めようとします。すると、乳管上皮細胞ではエストロゲン受容体が増え、エストロゲンと結びつくことで細胞の分化や増殖を促し、乳がんを発症させてしまうのです。
さらに食生活において、現代では高脂肪なものを摂る傾向があることで、エストロゲンの分泌を促してしまうと言われています。
乳がんの症状
乳がんは、体の倦怠感や、食欲喪失などという全身の初期症状が分かりにくいため、受診が遅れがちです。乳がんの症状として、乳房に
・しこりができる
・痛みがある
・乳頭から血が混ざった分泌物が出る
・乳首のただれ、乳房にくぼみなどが現れる。
・脇のリンパが腫れる
などがあります。
これらの症状がないか日頃から自分でチェックしてみてください。
「乳がん検診を受けたいのですが、どこに行ったらいいの?」
乳がん検診は、婦人科と思われる人も多いかと思いますが、基本的には外科で、乳腺外科や乳腺科になります。
検査は、触診、超音波検査、マンモグラフィーなどがありますが、乳腺の発達や年代に応じて検査が異なります。また、検査を受けるタイミングは月経後がおすすめです。
会社員として勤務されている方は、会社での健康診断に乳がん検診が含まれていることもあります。また、40歳以上の方を対象に、全国の自治体で行っていることが多いので、それを利用するのも良いでしょう。
また、日頃から乳房を
・鏡で見て
・触る
セルフチェックを心がけてください。
毎日行うセルフチェックとして有効なのは、入浴の際、石鹸の泡を手にとり乳房を優しくマッサージするように洗うことです。手の平と指を乳房や脇の下に滑らせることによって、小さなしこりを発見するなど、異変も見つけやすいのです。
日本はがん検診の受診率が最低レベル! 定期的な検診の重要性
OECD(経済協力開発機構)加盟国30ヶ国の中で、日本の
乳がん検診や
子宮頸がん検診の
受診率は最低レベルに位置しています。
例えば、検診受診率だけを見ても
欧米では70%以上ですが、
日本は20〜30%に留まります。
どうしてこんなにも受診率が低いのでしょうか?理由としては、
・忙しい、面倒くさい
・検査の費用が高い
・病気と分かるのが怖い
ということが挙げられるようですが、検診での早期発見が医療費を抑えることにも繋がります。今では土日に受診できる医療機関もありますので、「健康と時間を買う」意識で是非検診を受けてください。
10月1日、東京タワーが
ピンク色にライトアップされました。
10月は、日本を含め、世界の有名な建造物がピンク色にライトアップされます。これは10月が
「ピンクリボン月間」とされ、乳がんについての理解を深め、
早期発見・早期治療の大切さについて啓発を行うことを目的として制定されているためです。
現代の日本人女性に増えてきている乳がんは、早期に発見し適切な治療を受ければ
90%以上のケースで治癒の期待が可能です。
ぜひこの機会に、乳がん検診を受けてください。